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2004年02月27日
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赤い月
俺でいいじゃないか。なんで俺1人で満足してくれないんだ。 いったい何が不満なんだ。 あの彼は金をくれる あの彼は物をくれる あの彼はセックスをくれる あの彼は・・・ 数えればキリがない。 俺の女であるはずなのに他の男に抱かれる。 何度も何度も。 俺にしか与えられないものがあるだろう。 それがわかっているから俺の女になったんだろ。 エゴかもしれないが思ってしまう。 どう考えたって俺がベストだったはずだと。 他の男のように裏切ったりしない。 今までに悲しませるようなことしたことがあったか? 俺が抱いた後いつも泣いていた。 嬉しくて泣いていたのかと思っていたけど 本当に泣いていたのか? 今となってはわからない。 俺の手の届かない世界へ旅立ってしまった。 いなくなってから他人事のように呟いてしまう。 「母はなぜ、何人もの男を愛したのか」 母さん。 もう一度抱かせてよ。 |
赤い月
僕は母の事を名前で呼ぶよう子供の頃から習慣付けられた。「奈津子さん」 物心ついてから聞いたことがある。 「なんで奈津子さんのことをお母さんて呼んじゃいけないの?」 奈津子さんは答えた。 「ワタルのことは大好きだし、私はワタルのお母さんだけど お母さんなんて呼ばれていたら、男にモテないじゃないの。」 奈津子さんは優しくて、いい匂いだし いつもニコニコしていて、柔らかい胸に僕を抱きしめてくれた。 まあ、それでいいじゃないかと。 僕はそのとき4歳だったけど、それなりに納得した。 実際、奈津子さんはイイ男にモテたし、男がとても好きだった。 良い母親だったかは、疑問だとしても。 幼い頃、僕が昼寝から目覚めると、隣にいたはずの奈津子さんはいなくて リビングのソファでブラウスのボタンを外された半裸のしどけない姿で 男とキスをしていた。なんてのを、目撃するのは日常茶飯事だった。 午後の陽射しに白い肌を照らされながら うっとりと幸せそうな顔でキスを受けている奈津子さんは本当にキレイだった。 まったく。 今だったら子供に性行為を見せてしまうのは幼児虐待のひとつなんだって。 そーゆーの、知ってる? そんな僕も恋をし人を愛する事を知る年頃になると考えた。 「母はなぜ、何人もの男を愛したのか」 答えはまだ出ていないけど、僕はなんとなく、こう考えている。 女の人には2種類の人がいて、 恋に生きるタイプと、そうでないタイプ。 ほら、ドラゴンボールのナメック星人みたいに。 ピッコロは戦闘タイプのナメック星人でしょ? デンデは戦闘タイプじゃなくて、神様になったじゃん?龍神も作れるし。 あんな風に女の人も いつまでも恋愛に生きる生涯恋愛戦闘タイプと 何かを作り出すのが上手な女神タイプ。 2種類いる。 奈津子さんが何故何人もの男を愛したかなんて 考えたってしょうがない だって奈津子さんは、まごうことなき、戦闘タイプ。 ピッコロと一緒。 戦いつづけるんだ。 |
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